がんリハビリテーションについて
がんのリハビリテーションとは、がんによる臓器機能障害、全身性の障害、がん治療による様々な心身機能障害に対し予防・改善を目的とした治療手段です。患者様の機能障害が残存する場合でも障害の代償手段を検討し、環境を調整することによって患者様の日常生活活動(ADL:Activities of daily living)の自立と満足できる生活の質(QOL:Quality of Life)を目指します。
がんリハビリとは
1981年以来、がんは日本人の死亡原因の第一位となっており、高齢化社会といわれる現在、患者数は年々増加傾向にあります。その一方、早期診断・早期治療などにより、がんの死亡率は減少傾向にあることも事実です。そのため、がんの直接的影響や手術・化学療法・放射線治療などにより、身体に障害が出現した場合に運動機能改善・日常生活動作の維持・拡大を目的としたリハビリテーションを行っています。
がんのリハビリテーションは、大きく分けて、予防期・回復期・維持期・緩和期の4時期に分類されます。予防期は、がんの診断後早期から機能障害の予防を目的に行われます。回復期では、手術後の筋力低下や歩行能力障害のある患者さんに対し、最大限の機能回復を図る時期です。維持期は、がんが進行し患者さんの運動能力を維持するために、杖・車椅子など道具を使用して日常生活を円滑に行えるように練習をします。緩和期は、末期がんの患者さんに対して、その要望を尊重しながら、身体的・精神的・社会的に、より質の高い生活が送れるように援助します。
リハビリテーション室では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による質の高いリハビリテーションを日々実践しています。
がんリハビリテーションセンターの3つの特長
1.患者サポートセンターとの連携

患者サポートセンターではリハビリの必要性を判断するためにスクリーニング実施しています。リハビリが必要だと判断された患者に対し体力測定やin-bodyを使用した体組成測定、自主トレーニングの指導を行い、入院や治療により体力が低下しないようにサポートしています。
2.がんロコモ回診

がん自体あるいはがんの治療によって、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害が起きて移動機能が低下した状態のことをがんロコモといいます。
当院では整形外科医・理学療法士・看護師からなる運動器ケアチームにて定例運動器ケアとして月2回のがんロコモ回診を行っています。骨転移に対する専門的介入の他、骨転移以外の四肢・関節の痛みも対象としています。また、治療に伴って生ずる体力・筋力や移動能力の低下が起きにくいように、多職種で協働し早期のがんロコモ発見と予防的なリハビリ介入を実施しています。
がんリハビリテーション医療の病期別の目的
-
01
予防的
癌の診断後の早期に開始。機能障害はないが、その予防を目的とする。
-
02
回復的
機能障害、能力低下の存在する患者に対して、最大限の機能回復を図る。
-
03
維持的
腫瘍が増大/機能障害が進行しつつある患者のセルフケア、運動能力を維持・改善することを試みる自助具の使用、動作のコツ、拘縮/筋力低下など廃用予防も含む。
-
04
緩和的
末期のがん患者に対して、その要望を尊重しながら、身体的、精神的、社会的にもQOLの高い生活が送れるように援助する。
当院のがんリハビリテーション医療の役割
当院では、がんの進行とともに体力が低下し、自分で動くことが難しくなっている時期に、ご本人の要望を十分に尊重し、既存の能力をうまく生かしながら、身体的、精神的、社会的に生活の質を高く保つことを目指して、症状緩和を中心としたがんリハビリテーションを行っています。
研修を受けたリハビリスタッフは自主トレーニングの指導を患者さまに、日常生活に必要な動作の補助としての介助方法の指導をリハビリテーションのスタッフや看護師、ご家族さまに行い、退院後も起きている時間が維持できるよう、入院から在宅におけるまでの支援を包括的に行っています。